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10章 X'masカード
絆
最近はめっぽう寒くなって来た。道行く人もコートの前をしっかり閉じている。
後一週間でクリスマスを迎える為か、商店街はイルミネーションで飾られていた。
俺らは紫音の余命が一ヶ月あまりと宣告された日から学校帰りに直々見舞いに訪れていた。
紫音は俺らの前では明るく振る舞っているが、やはり体調の悪化は目に見えて明らかだった。
そして今日は俺だけで紫音のお見舞いに来ていた。
他の皆はどうしても抜けられない用事があるようなのだ。
「……あれ?今日は翔一人だけなんだ?」
紫音は少しだけ寂しそうな表情を浮かべたが、すぐに笑顔を取り戻した。
「具合はどう……?」
「うん。今日は比較的元気な方かな?」
「そっか。それは良かった」
「ねぇ翔。一週間後はクリスマスだよね?翔と……過ごしたかったなぁ」
ズキン。胸がきつく締め付けられるような思いだった。
「私……怖いよ」
そう言うとさっきまで笑顔だった面影はなく、紫音は泣き出してしまった。
後一週間でクリスマスを迎える為か、商店街はイルミネーションで飾られていた。
俺らは紫音の余命が一ヶ月あまりと宣告された日から学校帰りに直々見舞いに訪れていた。
紫音は俺らの前では明るく振る舞っているが、やはり体調の悪化は目に見えて明らかだった。
そして今日は俺だけで紫音のお見舞いに来ていた。
他の皆はどうしても抜けられない用事があるようなのだ。
「……あれ?今日は翔一人だけなんだ?」
紫音は少しだけ寂しそうな表情を浮かべたが、すぐに笑顔を取り戻した。
「具合はどう……?」
「うん。今日は比較的元気な方かな?」
「そっか。それは良かった」
「ねぇ翔。一週間後はクリスマスだよね?翔と……過ごしたかったなぁ」
ズキン。胸がきつく締め付けられるような思いだった。
「私……怖いよ」
そう言うとさっきまで笑顔だった面影はなく、紫音は泣き出してしまった。