From..
俺はアルバムをめくる手を止めた。

そこには紫音の写真が写っていた。雅也とは違い、満面の笑みを浮かべている。

「何が変わらないでいようね……だよ?一番変わったの…お前じゃんか」

ポタ…ポタ…。知らぬ間に流れた俺の涙は紫音に落ちた。

「……何で俺に言ってくれなかったんだよ……。友達じゃないのかよ?」

もっと早くから、紫音が病気だと分かっていれば俺はもっとたくさん紫音と時間を共にしていたのに……。

「破ったら…紫音様のパンチ百万連発じゃなかったのかよ…?紫音っ!」

俺の視界はすっかり涙で薄れてしまった。

ただ…。写真の中の紫音も…俺の涙で、泣いているように見えていた。

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