From..
最終章 From..

君からの贈り物

若葉揺れる春の時期。
紫音が旅立ってから十年の月日が経過していた。

「翔君…早く準備しないと遅れちゃうよ?」

「分かってるよ。先に車で待ってて!」

俺は百合菜に車の鍵を投げる。

「早く来ないと置いてっちゃうよ?」

百合菜は意地悪な笑みを浮かべながら俺を見た。

今日は昔のメンバーで上映会をやるのだ。

皆元気にしてるのかな?
こっちは報告することが沢山あるんだ。

「早く!」

「分かったよ!」

急かす百合菜に追われるように車に乗り込んだ。
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