From..
「ねぇ如月君。一人じゃなくてこっちで皆で食べない?」

隣の席の女はそう言って俺を呼んだ。

「俺に構うな」

何なんだこいつは…?
俺は少し睨みを利かす。

しかしそいつは全く動じずに俺を無理矢理引っ張って行った。

「お…おい!」

俺の意見など関係なしに俺を引きずる女。

気付けば俺はそいつの友達の輪の中に放り込まれていた。

良く見れば女の中に男も一人混じっていた。

「俺、山瀬 涼。こいつらとは小学生からの付き合いなんだ」

俺の視線に気付いたのか男は自分から名乗る。

「私は久藤 奈美」
「私は久藤 真美」

二人は同時に名乗る。

「おまえら双子なの?」

俺は思わず問い掛ける。

「うん。そうだよ?髪を結んでる方が私、奈美。下ろしてる方が真美」

双子を見るのは初めてだったので俺は少し驚いていた。

「で、私が風見 友紀。何だかんだで初めて名前言ったよね?」

隣の席の女…かざみゆきって言ったんだ。

「いつも、私、真美、奈美、涼でご飯食べてるんだよ?明日からは如月くんも一緒に食べようよ」

風見が俺を誘ってくれるが俺は内心複雑な気持ちだった。
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