From..
「皆は……いいのか?」

俺の口からはそのような言葉が出て来た。

まだ心のどっか奥底ではこうして皆で話すことを望んでいたのかもしれない。

「俺は大歓迎だけどな。前からお前と話して見たかったし……」

山瀬はそう言う。

「山瀬って俺と別のクラス?今日お前を初めて見たんだけど」

「あぁ。お前D組だろ?俺はB組。改めてよろしく」

山瀬が差し出した右手を俺は無意識に左手で受ける。

久しぶりに人の温もりを感じた気がした。

「私も歓迎するよ。やっぱり人が多い方が楽しいもん」

髪を結んでる方……奈美が言う。

「私も大丈夫だよ」

奈美の言葉を受けて真美も横で頷く。

「えっと…久藤…じゃ分かんないか。な…奈美は同じクラスだよな?」

「うん。如月君と教室で話したことないけどね。ちなみに真美は涼と同じB組だよ」

奈美が説明してくれる。

「ほら。皆がいいって言ってるんだから皆で食べようよ!」

風見がパンと手を打って俺を見る。

「…じゃあ…明日から皆よろしく。俺は一年D組如月令志」

すると皆は一斉に笑い出した。

「何が可笑しいんだよ」

「だって今更自己紹介?もうとっくに知ってるよ名前くらい」

「あ…そういえば」

「明日からよろしくね。如月君

心の中が温かくなる。久しぶりにこんな気持ち感じたな……。

……悪くねぇな。
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