From..
皆で弁当を食べ始めてから一ヶ月が経った。

俺はすっかり皆と打ち解け、下の名前で呼び合える程になった。

「令志かえろーぜ」

涼とは帰る道が一緒だったため、あの日以来一緒に帰ることにしている。

「おう」

俺は帰り支度を済ませ、涼と共に校門を出た。

涼が俺と同じ悩みを抱えていることが分かったのは 最近のことだった。

涼は 男の俺から見てもかっこ良かった。

そんな涼はやはり女子に付き纏われ、男子には忌み嫌われ……。

そんな涼を見兼ねて、声をかけてくれたのが友紀達だったという。

「だから今俺嬉しいんだぜ？こうやって男と一緒に帰れるのがさ」

涼は屈託のない顔で笑う。

「俺も…嬉しいよ」

「俺達何があっても友達だからな」

“友達”
その言葉の響きがこんなに心地よいとはな。

俺は友紀に今でも感謝している。
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表紙・目次

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