From..
「確かに友紀を見るとドキドキしたりするんだけど……」

「それが好きっていうことだろ？お前…人を好きになったことないのかよ？」

涼は呆れたように俺に言う。

「じゃあ涼は人を好きになったことあんのかよ」

「……あるよ。っていうか今もずっと好き」

涼がさらっと言ったので俺は思わず身を乗り出して聞いた。

「誰だよ？」

「風見友紀」

「は……？」

俺は、涼の言葉に耳を疑った。

「だから何回も言わせんな。友紀だって言ってんだろ！」

すっかり顔が赤くなってしまった涼を前に俺は困惑していた。

「じゃあ…俺が友紀を好きだったら困るんじゃないのか？」

「どっちが友紀を取るかの勝負だな」

そう言い涼は残ったメロンソーダを全部飲み干すと俺に宣戦布告した。

「これから俺達は友達でありライバルだな」

「まぁ俺は友紀が好きか分かんないけどな」

俺の言葉に涼は大袈裟にため息をついた。

「素直になれよ」

俺はその時涼が言ったことの意味をまだ理解できていなかった。
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表紙・目次

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