From..
季節は流れていった。長い長い夏休みが明け、体育祭、文化祭と過ぎて行き、気がつけば落ち葉舞う11月になっていた。

「涼!帰ろうぜ」

いつものように俺は涼を誘った。

しかし涼は満面の笑みを浮かべこう言い放った。

「わりぃ。今日は友紀と帰るから」

俺は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

「ゆ…ゆきと帰る?」

「そ。俺とお前が狙っている風見友紀と帰る」

「あっ…そう。まぁ頑張れよ。俺には関係ないことだしな」

正直目茶苦茶悔しい。

「ふーん嫉妬ね。じゃあ俺は楽しくイチャイチャ帰ることにするよ」

心の中を見透かされたように涼は言う。

「あーうっせーな!早く帰れよ!最後に笑うのはこの俺だからな!」

涼はげらげら笑いながら友紀と帰っていった。

「令志…。ドンマイ。何かおごってやるよ」

落ち込んでいる俺に声をかけてくれたのはクラスメイトの岡崎 陸。

中々気が利く奴だ。

「サンキュー陸」

すっかりクラスに馴染めていた俺。

それも全ては友紀のおかげなのであった。
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