From..
クリスマスが過ぎて、新年を迎えた。

クリスマスは特にすることもなく、一人寂しく過ごした。

友紀を誘おうかとも思ったがやはり後一歩が踏み出せなかった。

涼は積極的に友紀にアプローチをかけていた。

それを俺は指をくわえて見ていることしか出来なかった。

だけど、それで俺は分かったことがある。

そんな友紀と涼のやりとりを見ていて悔しいと思うということは……。

俺は友紀が好きなんだ。

その時俺はそう信じ込んでいた。

その自分が導き出した答えが間違っていることに気がつくのは随分先のことである。

好きっていう意味がよく分からなかった。

ただ、何となく、これが『好き』っていう気持ちなのかな?と思っていたのだ。
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