From..
「ぶっちゃけた話な…」

俺は運ばれて来たアイスティーを一口含んでから切り出す。

「俺は友紀の事が好きだったかもしれない」

「れ…令志?突然何言い出すの…?」

友紀は困惑していた。
当然だろう。彼氏がいる相手の前で、好きだったかもと言ったのだから。

「初めはさ…うるさい女だな…って思ってた」

「令志…最初無愛想だったよね?」

「だけどさ…。いつからだったのかな…?友紀を見るとドキドキしたり…涼と話してるのを見ると悔しかったり…」

友紀は言葉を挟むのをやめて、ただただ俺の話を聞いてくれている。

「俺はそれが『好き』っていうことだと思ってたんだ。だけど分かったんだ。それは好きとは違う感情に…」

俺は、今までの友紀への気持ちの答えを自分なりに考えていた。

そして一つの朧げな光を見つけたのだ。

「友紀には…こんな風になれたら良いなぁっていう『憧れ』を抱いてんだよ。もっと言えば…さ」

友紀はメロンソーダを口に付ける事なく俺の言葉を待っている。

カラン。

氷が溶けて、グラスに触れ合う音がした。

「俺にとって友紀は……『姉ちゃん』みたいな人だったんだ」

「…姉ちゃん?」

友紀は俺のその言葉を聞くと、机に突っ伏して泣き出してしまった。

「ゆ…友紀?」

俺には友紀の涙の正体が分からなかった。
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