From..
「今日も疲れたなぁ…」

補習帰りの俺は思わずそう呟いた。

俺の名前は若葉 翔。どこにでもいるような高校一年生だ。だがこの春を越えると俺は高校二年生になる。部活には何も所属してないし暇な春休みだと思っていた……。

その考えが甘かった。
元々苦手だった数学の補習に引っ掛かってしまったのだ。

何で春休みに制服を来て学校行かなきゃいけないんだよ…。

全ては自分の日頃の勉強不足が原因だが、そんなことを認めたくない。

その時…一陣の風が吹いた。

「うわっ…?」

その時、俺の顔に何かがくっついた。それはピンクの可愛らしい手紙だった。

「何だ…?この紙?」

俺は何気なく手紙の文章に目を落とした。

『若葉 翔さんへ…ずっとあなたのことが好きでした。もし良かったら私と付き合ってくれませんか?お返事まって……』

文章は途中で途切れていた。……っておい!

俺が生まれて初めてもらったラブレターは中途半端なラブレターだった。

誰が書いたんだよ…。気になるじゃねぇか…。

俺は頭も良くないし、顔もかっこよくない。

運動だって ほどほどにこなす程度だ…。

俺のモットーは
“無難にこなす”だ。

そんな俺を好きになってくれる人なんているんだろうか?

もしかして百合菜ちゃんだったり。

百合菜ちゃんというのは
俺が入学当初から片思いし続けてる人だ。

んな馬鹿な。
まぁ俺を好きでいてくれる人がいるかもしれない

そんな希望があるだけで学校生活は楽しくなるかもしれない。

俺はそう考えることにして再び歩き始めた。
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