From..
ガラガラ。俺はB組の扉を開ける。

B組の皆の視線が俺に集まるのを感じた。

どれが若葉 翔だ?
俺が困っていると思わぬ方から声がかかった。

「あれ…?令志!お前この学校だったのか?」

俺は声のした方を見る。

「陸……!お前もこの学校に来てたのか?」

そう。俺は元クラスメイトの岡崎 陸と偶然再会したのである。

「久しぶりだなー。お前何組なの?」

「…C組」

「そっかぁ。この学校は三年間同じクラスだからなー。俺は令志と一緒のクラスになりたかったよ」

陸は話し出したら止まらない奴だ。

「それより若葉 翔ってどんな奴だ?」

俺は陸の話を遮ってストレートに聞いてみることにした。

「翔?翔ならあそこで話してる奴だけど…。あいつがどうかしたのか?」

「いや…ちょっとどんな奴か気になっただけだ」

俺はそう言いつつも若葉 翔を見続けていた。

「あいつはいい奴だよ。まぁ勉強と運動は普通だけどな。何なら呼んでやろうか?」

「いや……。見れただけで十分だよ。どうもありがとな陸」

「おう。またな令志」

俺は陸に御礼をいいながらB組の扉を閉めた。
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