From..
吹く風は温かい。季節は五月の下旬で今日は早くも初夏を思わせる陽気だった。
浅香さんと令志が付き合ったというショックも癒えて来た頃だった。
その時、部屋に置いてあった携帯がやかましくなり始めた。俺は手を伸ばして携帯を取る。
「もしもし?」
「あっ翔?今日って空いてるか?まぁ翔は彼女いないから空いてるだろうけどな」
プチッ。
俺はそこで無理矢理電話を切った。特に意味などない。ただ純粋にうざかった。それだけだ。
しかし再び携帯は鳴り始めた。
俺は無視を決め込むことにした。すると着信音は三十秒程した後に鳴り止んだ。
俺がホッと一息ついたときだった。
構ってほしいかのように携帯は鳴り響く。俺は我慢の限界を迎えていた。
「何だよ渡!」
「さっきはごめん」
「…別にいいけどさ。それで何の用だよ?」
「12時に雛菊公園前に来てくれ」
「俺まだ行くって言ってないんだけど…」
「翔なら来てくれるって信じてるよ」
ツーツー。
電話を一方的に切られてしまった。
ったく……渡らしいな。
俺は苦笑しつつも、出掛ける支度を済ませ、家を出た。
浅香さんと令志が付き合ったというショックも癒えて来た頃だった。
その時、部屋に置いてあった携帯がやかましくなり始めた。俺は手を伸ばして携帯を取る。
「もしもし?」
「あっ翔?今日って空いてるか?まぁ翔は彼女いないから空いてるだろうけどな」
プチッ。
俺はそこで無理矢理電話を切った。特に意味などない。ただ純粋にうざかった。それだけだ。
しかし再び携帯は鳴り始めた。
俺は無視を決め込むことにした。すると着信音は三十秒程した後に鳴り止んだ。
俺がホッと一息ついたときだった。
構ってほしいかのように携帯は鳴り響く。俺は我慢の限界を迎えていた。
「何だよ渡!」
「さっきはごめん」
「…別にいいけどさ。それで何の用だよ?」
「12時に雛菊公園前に来てくれ」
「俺まだ行くって言ってないんだけど…」
「翔なら来てくれるって信じてるよ」
ツーツー。
電話を一方的に切られてしまった。
ったく……渡らしいな。
俺は苦笑しつつも、出掛ける支度を済ませ、家を出た。