From..
渡は俺の部屋に入るや否や部屋を物色し始めた。

「お前ちょっとは大人しく出来ないのかよ?」

「友達ん家くるとはしゃいじゃう性格なんで。ところで…翔?」

「…何だよ」

渡の顔がいつになく真剣になった。俺も思わず身構える。

「ジュースまだ?」

プチッ。脳の血管が切れたような気がした。いや…実際に切れたかもしれない。

俺は渡をボコボコにした後、喉が渇いたので結局ジュースを持ってきた。

「そろそろ話せよ……渡。悩みって何だ」

コップにジュースを注ぎながら俺は渡に尋ねる。

「いや…実は…その…俺好きな人がいるんだ…」

「美紀だろ?」

「!何で知ってるの?」

渡は本当に驚いているようだったが、あれだけ美紀にアプローチをかけていれば、気付かない奴はいないだろう。

ったくこいつは……。
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