From..
「……ホントかよ?」

俺は紫音に向かって異を唱えた。

「じゃあ翔は女の子に告白されて嫌な気持ちになる?」

「ううん…むしろ嬉しいことだね」

確かに俺が誰かに告白されたら嬉しい。

『こんな俺でも好きになってくれる人がいるんだ』って……。

「ありがとう紫音。何か俺…自分でも分かんないけど…吹っ切れた」

「…私なら何もしてないよ?もし何か気持ちが変わったって言うなら…それは渡自身が変わったっていう証拠だよ」

「翔もサンキュ。今日はわざわざ話聞いてくれてありがとうな」

「いや、俺こそ何もしてないから……。礼なら紫音に言ってくれよ」

「ありがとう二人とも」

渡は確かに何か吹っ切れたような顔をしていた。

これなら心配はなさそうだな。

俺と紫音は顔を見合わせる。

後は上手くいくことを願うだけだな……。
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