From..
あの後、ファミレスから移動した私は、紫音さんの御墓の前にいます。

私は毎年かかさずここに来ています。

紫音さん、私は今…とても毎日が楽しいです。

翔先輩にフラれて…紫音さんと触れ合って…今の自分がいるような気がします。

その時、温かい風が私を包んだ。

「…紫音さん?」

「悪いな…俺だ」

「…令志か」

「何でがっかりそうな顔を浮かべる?」

「紫音さんかと思った」

「桜花…。やっぱり翔のこと好きか…」

令志は気まずそうに私に尋ねる。

「うん。私にとってずっと終わらない恋。それが翔先輩なの」

「じゃあさ…俺と一緒にずっと終わらない愛を紡いでいかないか?」

そう言って令志は私の薬指に指輪をはめる。

「俺じゃ不安かもしれないけどさ。絶対幸せにするからよ」

「ばーか。私、今十分幸せだよ?好きな人がいて愛する人もいる。令志も同じでしょ?」

「……百合菜が好きで、お前を愛してる。ぷっ。確かに俺ら似てるな」

私達は不謹慎にも御墓の前で笑いあった。

「よろしくな」

私と令志は一生の愛を誓い合った。
< 383 / 387 >

この作品をシェア

pagetop