From..
「ただいまー」

「お帰りー」

玄関から返ってくるこの声の主は隣の家の幼なじみ…日向 紫音。

「お前勝手に俺ん家に入ってくんなよ」

「いいじゃん。私と翔の仲なんだしさ」

紫音は有名な女子高に行っている。だから会うのは何だかんだで久しぶりだった。

「ただの友達だろ?」

「そう!ただの友達!友達で幼なじみ!!なのに翔…ちっとも連絡くれないんだもん…」

そういうと紫音は悲しげに目を伏せた。ちょっと見ない間にすっかり女っぽくなってて、ちょっとドキッとしたのは紫音には内緒だ。

「でも翔…元気そうで良かったよ!」

「紫音も相変わらず元気そうで何より!」

「そう見える…?」

「え…?」

急にどうしたんだ…?
紫音のやつ。

「なんてね!!元気元気!!連絡くれないケチな翔にいたずらしただけだから!!」

ホントにそうなのか…?
何か嫌な予感がする…。ただの思い過ごしだよな。

「ならいいけど…」

その後も紫音は俺の家の冷蔵庫を散々に荒らしてから帰っていった。

お前何か俺に用があって来たんじゃないのかよ?
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