From..
結局紫音の検査の理由は聞けず終いだった。紫音に上手くはぐらかされちたな……。

俺は、ベッドに寝転がりながら一ヶ月前の百合菜ちゃんの言葉を思い起こす。

『うん…あのね!昨日どっかでラブ…』

百合菜ちゃんは俺に何を伝えたかったんだろう?
百合菜ちゃんは忘れて欲しいって言っていたけどやっぱり気になる。

俺の好きな人は百合菜ちゃん。それは紛れも無い事実。

だけど……、静香の言葉が頭から離れない。

『百合菜から美紀にくら替えしたの?』

俺と美紀の関係は…なんなのかな?確かに可愛いと思う。性格も良いし話しやすい…。それに一緒にWデートもした仲だ。

だけど…百合菜ちゃんの話す時に抱く、ドキドキする気持ちを美紀に感じたことは一度もない。

確かに初めの内は、美紀が笑ったりすれば、ドキッとしたが、ドキドキではない。

「雨の日は憂鬱……」

思わず呟きいつのまにか意識は薄れていった。
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