From..
その子の手は、遠くから見てもわかる程に真っ赤だった。もう5月だといってもまだまだ雨の日は冷え込む。
かじかんでいるのだろうか?その女の子は微かに震えている。
自分でも分からなかった。気が付くと俺は、そのこの元に歩み寄って傘を差し出していた。
「使う?」
その子は驚いていた。だがそれ以上に俺が、自分自身の行動に驚いていた。
「え…?あなたは?」
「俺は折り畳み傘があるから大丈夫!A型だからねっ!!」
「でも悪いですよ……」
その子は、遠慮しているのか、俺が差し出している傘を受け取る気配はない。
「いいからっ!!気にすんなって!ほら!!」
俺は強引に傘をその娘の手に持たした。手と手が一瞬触れ合う。その娘の手は氷のように冷たかった。
「俺、忘れ物思い出したから!!じゃあ!!」
俺はその場から逃げるように校舎に戻った。
かじかんでいるのだろうか?その女の子は微かに震えている。
自分でも分からなかった。気が付くと俺は、そのこの元に歩み寄って傘を差し出していた。
「使う?」
その子は驚いていた。だがそれ以上に俺が、自分自身の行動に驚いていた。
「え…?あなたは?」
「俺は折り畳み傘があるから大丈夫!A型だからねっ!!」
「でも悪いですよ……」
その子は、遠慮しているのか、俺が差し出している傘を受け取る気配はない。
「いいからっ!!気にすんなって!ほら!!」
俺は強引に傘をその娘の手に持たした。手と手が一瞬触れ合う。その娘の手は氷のように冷たかった。
「俺、忘れ物思い出したから!!じゃあ!!」
俺はその場から逃げるように校舎に戻った。