From..
俺は今凄く緊張していた。

何故なら、こんな可愛い子と相合い傘で帰ってるからだ。もちろん初めての経験だった。

「でも本当に大丈夫?送ってもらっちゃって…」

「気にしないで。女の子を雨に濡らしちゃ風邪引いちゃうよ」

「…自分は濡れて帰ろうとしたのに?」

「…あぁもう!そのことは忘れてよ」

「やーだよっ」

畜生…。可愛すぎる。これは朝のお天気お姉さんに感謝だな。これが二人の恋のきっかけになって…。

『ありがとう……大好き』

『俺もだよ……』

「ねぇってば!」

「え…何?」

急に現実に引き戻される。すっかり自分の世界に浸っていた。俺の悪い癖だな。

「だから…名前教えて?」

「…1年B組 若葉 翔」

「あ、私もB組だよ。浅香百合菜っていうの。よろしくね」

浅香 百合菜ちゃんか…。いい名前だな…。
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