From..
ピンポーン。

俺は呼び鈴の音でふと 我に返った。

一体誰だろう?俺は体を起こして時間を確認した。

……20時15分。

俺はどのくらいの間、眠っていて、どんだけ物思いにふけっていたんだろうか?俺は苦笑する。

「翔!お客さんよ!」

母さん帰ってたんだ……。それより俺に客なんて珍しいな。?

俺は部屋を出て一段一段階段を降りていった。玄関に立っていた人を見て 俺は息を呑んだ。

「ゆ、百合菜ちゃん…?」

そう。そこに立っていたのは百合菜ちゃんだった。

「具合は大丈夫?」

少し心配そうな顔を浮かべてくれる。俺…君が来てから大丈夫じゃなさそうです。

「まあ、大丈夫かな」

「ちゃんとお布団かけて寝るんだよ?」

「母さんみたいなこと言わないでよ……」

百合菜ちゃんはクスクス笑った。

「良かった……いつもの翔君だ。最近元気なかったから心配したんだよ?」

ドキン。そうだ……。思い出したよ。可愛いから好きになったんじゃない。

俺なんかを心配してくれる優しい君を好きになったんだ。
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