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転校生

「翔、いつまで寝てるの?早く起きなさい!!」

目覚ましに負けない母さんの声が俺の頭を揺らす。

俺は眠気に打ち勝つためにもぞもぞと活動を開始する。まずは、時間を確認する。時計の針は8時を指していた。

8時か…俺ん家から学校まで急いでも40分はかかる。確か始業式開始は8時30分だったな。

寝起き頭の俺でも、これが意味していることは分かっていた。

「母さん、何で起こしてくれなかったんだよ!」

これじゃ、始業式に間違いなく遅刻してしまう。

「今、起こしに来たじゃない」

基本おっとりしている母さん。だけどもう少し時間を考えてほしい。俺は急ぎながらでも、すでに顔は洗い終わってるし、着替えも済ませている。

「ご飯は?」

「いらないっ!!」

呑気な母さんの返事も聞かず慌てて俺は家を飛び出した。
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