From..
それにしてもな……。
俺は水城桜花からもらったラブレターを取り出す。

「まともなラブレター貰ったのは初めてなんだよな」

春先に落ちて来た、差出人不明のラブレター。やっぱり名前が書いてある分、水城桜花から貰った方が断然嬉しかった。

だけど……どうして水城桜花は俺にラブレターを入れたのだろうか?

一目惚れするなんて思えない程、俺はかっこ良くない。しかも水城桜花はアイドル的存在。

「……悪戯かもな」

俺はそう呟いてベッドに倒れ込んだ。

『翔君が誰と仲良くしようが、私には関係ない』

百合菜ちゃん。俺、もう限界かもしれない。何でか知れないけど、俺、水城桜花に興味を持ち始めたんだ。

「……百合菜ちゃんには、雅也の方がお似合いだよ」

はぁっと俺は大きく息を吐く。そして俺はベッドに潜り込んだ。

「恋って……辛いんだな。想う方も、想われる方も」

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