From..
銀杏駅に着いたのが8時35分。駅から学校までは5分かかる。こうなりゃ5分の遅刻も10分の遅刻も同じだろ。

俺はのんびり向かうことにした。うん、絶対俺は母さんに似たんだな。

ドシン!!

強い衝撃が俺を襲った。

「痛っ…」

俺は地面に尻餅を付いてしまった。

「!ご…ごめんなさい!!私急いでて!」

どうやら、俺は女の人とぶつかってしまったようだ。俺は、スカートを見ないように気をつけて、相手に声をかけた。

「俺は平気だけど…あなたは大丈夫ですか?」

男の俺が吹き飛んだのだから彼女の方には結構なダメージがあっただろう。

「あっ平気です。ちょっと膝を擦りむいちゃいましたけど……」

そういうと彼女は顔をしかめて目線をひざへと移した。怪我をしてしまったのは少なからず俺にも責任がある。

「これ使いなよ」

俺は絆創膏を彼女に渡した。俺はA型だからこういうのはマメに持ち歩くタイプなのだ。

「あ…ありがとうございます……」

彼女はそういうとひざに絆創膏を貼り始めた。
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