R男子★
 掴まれていないほうの手でサクヤさんの胸板を押した。





 「サク・・・ん!」




 
 懇親の力で押してるのに、びくともしない。




 
 身体に力が入らなくなってきた。




 
 掴まれてる腕だって、自分の力で振りほどけない。




 こんな時、少女マンガのヒロインって何するんだっけ。




 ガリッ




 あたしはサクヤさんの唇を噛んだ。




 あたしの口内にも流れ込むサクヤさんの血の味。




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