R男子★
 「痛いことしてくれるじゃないの」




 そう言って彼は笑った。




 唇を拭いながら、悪びれもせず。




 「何て事、してくれるんですか?」




 痛いのはこっちだよ。




 卓也のこと、裏切っちゃったって気持ちがあたしを支配してる。




 罪悪感が憎悪する。




 気がつけば、あたしの手は自由になっていた。




 「さよなら」




 あたしはそういって、公園を出た。
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