僕から、キミへ
ハルナの決意












あたしの願いは、届いたのかわからない。




「ハルナちゃん、退院おめでとう」


「ありがとうございます…」


 


担当医に、玄関前で見送られる。
 


ぎこちない返事を返したあたしに、担当医は理由にすぐ気が付いたみたい。
 
たった数か月の関係だったけど、人の想いに気づける所って、お医者様なんだなってわかる。




「やっぱり寂しいか?
最後にカイくんに会えなくて」


「……はい…」


 


あの日、カイくんが病室を出てから今日、あたしが退院するまで、
カイくんが病室に元気な姿で戻ってくることはなかった。
 
どうやら予想よりもカイくんの病気は悪化していて、ICUから出て来れない状況のようだ。
 
意識も取り戻していないみたいで、今も中で酸素マスクに繋げられて眠っている。
 
最後に松葉杖をつきながら見に行ったけど、眠っているカイくんは不謹慎だけど、
死んでいるみたいだった。









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