僕から、キミへ
ハルナの変化
桜が、青空に舞った。
まるで命を持つように、風に揺られて桜が踊る。
「ハルナぁ?何しているの?」
「ちょっと、窓見てた」
「ハルナって時々寂しそうにしているよね。
誰かと別れたの?」
「別に、別れたわけじゃないよ?」
ぼんやり、教室から舞っている桜を見ていると、話しかけてくれたクラスメイトの女子。
かつてあたしに、「ハルナの話はつまらない」と言った子だ。
「じゃあ何?
誰かに恋しているの?」
「恋、かぁ。そうかもね。
あたし、忘れられない人がいるから…」
「誰なの?どんな人?」
恋愛話が好きなそのクラスメイトは、好奇心旺盛な瞳をあたしへ向けながら、前の席に座った。
好奇心旺盛な瞳…懐かしいな。