僕から、キミへ
「前にあたしが事故に合った時…出会った人なの」
「え?その人も怪我で入院?」
「ううん。
その人は病気だったの」
「そうだったんだ~」
「今、何しているか…わからないけど、あたしにとって大事な人なの」
「そんないつ来るかわからない人待っていないで、新しい人探せば?
今日合コンやるから、ハルナも来れば?」
「遠慮しておくよ。
あたしは、その人を待っていたいから…」
「もしかして、ハルナの喋りが飽きなくなったのって、その人の影響?」
「そうかもね。
その人は、あたしの長い話を、嫌な顔しないで聞いてくれたの。
だけどやっぱり、もっと上手く話せるようになりたいなって」
「ハルナの話、最近聞きやすくなって、飽きなくなったよ」
「ふふ、ありがとう」
あれから、月日が経った。
カイくん、元気かな?
あたしはぼんやり、桜を眺めた。
カイくんに出会ったのは、確か桜の季節だった。
あれから、随分経ったんだなぁ。
また桜の季節が巡ってくるんだもん。
毎日って、遅いように見えて、結構早いものなのかも。