僕から、キミへ
カイの努力
☆カイside☆
目が覚めるとそこは、見慣れたICUだった。
何で自分がここにいるのかわからなくて、僕はぼっと天井を眺めていた。
「…今村くん?」
看護師さんに呼ばれ、ほんの少しだけ首を動かす。
自分の体じゃないみたいで、返事をすることも手足を動かすことも出来ない。
それぐらい、僕は眠っていたのだろうか…?
「カイくん、大丈夫か?」
僕の担当医が、笑顔をほころばせながら聞いてくる。
僕はやっぱりほんの少し、頷いた。
「検査するね」
再度頷き、僕は眠りに落ちた。
再び目が覚めた場所は、見慣れた病室だった。
さっきよりも、手足を動かすことが出来る。
誰もいなかったので、ナースコールを震える手で押した。
何も言わなかった…否、何も言えなかったけど、
ナースコールに出てくれた看護師さんは、わかったみたいで。
担当医がやってきた。