僕から、キミへ
「カイくん。大丈夫?」
疑問系で聞かれたけど、声が出ない。
なので、頷いた。
「まだ体力が戻っていないから、話せないんだろうね。
首を動かすことは出来るみたいだから、それで答えてね?
無理しないで良いから」
こくり、と頷いた。
「まず、手始めに。
今村魁…自分の名前は覚えてる?」
頷いた。
自分のことも、家族のことも、覚えている。
「数か月前、発作を起こして、意識不明だったんだ。
今は、大丈夫みたいだね」
「……は…い……」
掠れた声を出した。
担当医が、嬉しそうに笑っていた。
「ともかく、今日は様子見だね。
どこか痛い場所とか、具合悪い場所ある?」
「…ない、です……」
「じゃあ、今日はゆっくり、安静にしていて?
何かあったら、すぐにナースコールを押して」
「…わかり、ました……」