僕から、キミへ











そして出来る限り、院内を散歩するようになった。
 


点滴を引きずりながら、あてもなく歩きまわった。
 
最初はほんの少し離れただけでも苦しくなって、病室に戻された。
 
だけど食事と違い、繰り返して行けば段々体も慣れてきて、
昼休み中の担当医に付き合ってもらって病院の庭の散歩も出来るようになって来た。






「ゲホゲホッ、ゴホッ」


「カイくん、平気か?」


「大丈夫です…」


「無理するんじゃないよ」


 




何度も咳きこみながら、僕はご飯を食べる。


 
キツいけど、大丈夫。
 
これも全部、僕が決めたことなのだから。

 


僕は深い息を吐き、再び箸を手に取った。








< 28 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop