僕から、キミへ
そして迎えた、手術の日。
僕は朝から緊張していた。
ご飯も最初に比べて、随分食べられるようになり、ここ最近は完食が出来るようになって来ていた。
「今のカイくんなら、手術が終わるまで体力持つと思うよ」
「はい…」
「緊張してる?」
「そりゃ…まぁ…」
「平気だよ。
カイくん、最近頑張っていたからね。
愛の力って凄いなって、オレ素直に感心したよ」
「愛の力って…!」
「本当のことだろ?
ハルナちゃんに会いたいから、頑張ってるんだろ?
十分愛の力じゃないか」
「……そう、かもしれません。
僕は、ハルナさんに会いたいです」
こくん、と力強く頷くと、担当医は笑ってくれた。
「…じゃあ、そろそろ始めようか」
「お願い、します」
麻酔をうたれ、段々眠気が襲ってくる。
僕はゆっくり、瞼を閉じた。