僕から、キミへ
カイからハルナへ、ハルナからカイへ
☆ハルナside☆
朝のホームルームの時、恥ずかしい真似をしてしまったあたしは、
カイくんの案内係に任命され、体育館にいた。
「あたし…ずっと、待ってたよ。
もう体調は、大丈夫なの?」
「まだ激しい運動は出来ないけどね。
発作とかは、もう起きないって言われているよ」
「良かったね、カイくん!」
「うん。
ハルナさんに、会いたかったから…」
恥ずかしそうに、艶やかな黒髪をクシャッとするカイくん。
そして髪の毛から手を離すと、ニコッと笑った。
「ハルナさん。
あの手紙、見てくれましたか?」
「うん」
「じゃあ、言っても良いですか?
僕がハルナさんに伝えたいこと」
「良いよ」
「僕は。―――ハルナさんが、好きです」
「あたしも、好きだよ」
あたしはカイくんに話した。
かつてあたしが、喋りすぎるせいで、孤立していたこと。
憂鬱な気分の中事故に合い、カイくんに会ったこと。
そして、あたしの話を好奇心旺盛な瞳で聞いてくれたカイくんに、
惹かれて行ったこと。
カイくんも話してくれた。
あたしの話のお蔭で、初めて生きたいと思ったこと。
手術を受けるために、体力づくりを頑張ったこと。
あたしに出会い、初めて恋と言う感情を知ったということ。