告白よりも、ときめきを
仕切りのある半個室の席に着いた。
「片桐君、大丈夫なの?」
「何がです?」
「その…、何も無いから別にいいんだけど。こんな会社の近くの、真正面のお店でなんて。
私と御飯してたって…誰かに見られて噂にでもなったら困るんじゃない?」
「何も。困る事は何も無いです」
「彼女は?御飯って言っても、会社の人間でも、相手が女性なら気になるはずよ?大丈夫?ちゃんと言ってあるの?」
「論外です」
「論外って…」
「今夜の事は、御飯食べて、帰ってちゃんと休む、そういう事で成立している話ですよね?
だから、来てます。もういいですか?」
「…すいません。…そう言われると、もう、何も言いません」
首を竦めて小さくなった…。いいんだ。
「消化の良い物なんて…。俺の為に言ったんでしょ?
大丈夫ですよ?そこまで弱ってませんから。
さあ、普通に食べましょう。俺は大丈夫ですから」
メニューを二人で見る。
「うん、じゃあ…、色々食べたいから…ハーフで、エビチリでしょ‥春巻きでしょ、あと…」
「明璃さん。まず店員さんを呼びましょう」
「…はい、…すいません」