告白よりも、ときめきを
…言った。確かに言った記憶がある。
「あの時の言葉。目茶苦茶嬉しかったんです。理屈じゃなく、貴女が言うように、言葉にしてくれた事が。
頑張れると思ったんです。だから、…それからずっと…好きなんです」
「そんな…それは」
「そうですよね、貴女にしてみたら、いきなり過ぎますよね」
違う、…私は。
「竹内さん…」
「えっ」
「同期の竹内さんと、随分親しげですよね…。同期なんだからって言われたら、そうかも知れませんが。…昨日も、竹内さんは貴女の事、よく解ってるみたいだった」
何の事だろうか。まあ、同期だからね。
「それは…、同期で、結婚もせず残ってる女子社員は私だけだから。色々気を遣ってくれてるんだと思うけど?」
「…はぁ。貴女は…男の気持ち、何も解っていない…。俺が言う事じゃないけど。竹内さんは貴女の事が好きですよ?同期とかそういうんじゃなく。多分間違いなく」
…え?
「そんな事…」
ない。
「解りません、本人じゃないから。
でも、好意がなければ、チョコレートも、好きなブラックコーヒーも、わざわざ用意したりしないと思いませんか?」
「それは…」
何故、知ってるの。
「昼過ぎ、課長から残業を言い渡された時、俺も居ましたけど、竹内さんもまだデスクに居ました。だから竹内さんは、貴女を少し元気づけようと…、貴女の好きな物、買っておいたんです。そう思います。そんな気の利いた事をするなんて。…俺は、何…、敵を援護射撃するようなこと、言ってるんだろう…」
「え?」
「いえ、何でもないです。……明璃さん、許してください」
んん…ふ、ん…。
ついた手はそのままに、首を傾げていきなり唇を奪われた。
「…ん。……では、帰ります。体、休める約束だから」