告白よりも、ときめきを
・プロポーズ?

……もーーっ。いきなり、何、これ。好きだって言ってるけど、これって、もうほぼプロポーズみたいなモノじゃないの?どうしちゃったの?本気で言ってるの?片桐君といい、急にどういう事?

「ねえ、優?」

「…なに?」

「あの…なんて言うか、ムードもへったくれも無い事言うけど。いい?」

「…なんだ?」

「これって、もう既に、プロポーズみたいに聞こえるんだけど、冗談だよね?」

「…」

体を離した優は頭をガシガシしている。

「あ゙ーーも゙ー。…。…へこむ。マジ、へこむ…」

「優?」

「…帰る」

「は、い?」

「…帰る。明璃…とにかく真面目に考えてみてくれ…」

「優?え?」

「…」

…な、何?急に…ジッと見たりして…な、なによ。

「明璃、可愛いな…」

「は?…」

何、…え?

「長く一緒だけど…顔、改めてこんな近くでちゃんと見た事無かった気がする。…可愛い眼してるんだな…とか思ってさ。……あ、俺は…何言ってるんだろうな。はぁ、もう…支離滅裂だ…」

またガシガシしてる。

「優…」

抱きしめた、私から。

「明、璃?…」

「…どうしたの?いい男が台無しだよ?落ち着いて?
私、冗談じゃないっていうならちゃんと考えるから。真面目に考えるから、そんなに凹まないで。仕事でもこんな凹んだ優見たことないのに。いつも冷静沈着で、ミスなんてしないくせに。
優には無いの?ほら、元気になれる最強なモノ。私のチョコとコーヒーみたいなモノ」

「明璃だ。…そんなの明璃に決まってる」

…はっ。俺は…また…ぶっちゃけし過ぎだ。……はぁ。も゛う。

このシチュエーション。冗談ではないだろうと思っても、何だか。私は真面目に受け止めようとする、そしてどこか流してるような…冷静に状況を分析しようとしているだけの自分が、ちっともドキドキして無いんじゃないかと、思っていた。
< 23 / 69 >

この作品をシェア

pagetop