告白よりも、ときめきを
「明璃。相殺するぞ」
「えっ」
何?本当に支離滅裂。急に仕事の話?
人間凹み慣れてないと、こうも頓珍漢になるものなの?
左手で後頭部をガッチリ固定された。…え?
右手が背中に回された刹那、強く引き寄せられた。多分、驚いている顔の私の唇に優が口づけた。えっ?
……ん、んん…ん。……熱い…。深くなった。ん、ふ…。…伝わってくる…。何だか熱いモノ。更に深く…続く…長い。優…。
両手はいつしか頬を包んで、顎が上がる程上向かされ、ゆっくりと食むように優しく口づけられた。また、深くなった…。このまま…ずっと。延々続くんじゃないかとさえ思った…。優の胸に手を置いて握り締めた。
ゆっくり顔が離れた。
「…はぁ、明璃…」
ギュッと胸に押し込まれ、強く抱きしめられた。ドクドクと優の胸が強く打っていた…。熱い…。
「…やばい。止められなくなった。はぁ…やり過ぎたな」
私は無意識に首を振っていた。
「明璃…。無意識に一緒に居る事が既に必然なんだ。明璃が居ないと思ったらそれは…違和感なんだ…。俺の10年はずっとそうだった。…片桐のは消したから」
伝わってきたモノは、優のメラメラした情熱だったんだ。