告白よりも、ときめきを
・私という人物

私、宇佐美 明璃 32歳。
…独身。
この年齢ですから、恋愛はさぞかし百戦錬磨かと思いきや…。
百戦は疎か、一戦だって交えた事がない。全くの未戦闘なままだ。

学生の頃、いいなあと思う人は居た。
つかず離れずの距離感で、時々ドキッとするくらいの事がある。ちょっとした仕草とか、行動にだ。
それだけで良かった。
その人が誰を好きで、誰がその人を好きなのかは全く気にならなかった。
両思いになってつき合いたいとか思わなかったからだ。
素敵なモノ、そうでないモノの(ごめんなさい)判断は出来ているつもりだ。

だから、同期の男性5名、女性3名の素敵さ(私は除く)も判断つくし、毎年入ってくる社員の素敵さも、みんなと同じ判断が出来ていると思う。
独特な個性的な好みはこの場合除外ですよ?

同期の女性は私を除き、二人とも上手く振り分けたように、綺麗系、可愛い系だった。
もう二人共とっくに寿退社しちゃったけど。

男性は、竹内と山崎が女子社員の人気を二分していた。
あとの三人も、個性的で性格の良い人達なんですよ?

山崎君はいつも人懐っこい笑顔で、元々柔らかい面差し、そして、話し上手。
竹内君は存在感のある寡黙な人で、一つ一つのパーツが綺麗で、計算されたように配置された顔。凛々しめの顔だけど、女性だったとしてもかなりの美人顔だ。
きっとお母さんは美人なんだろうと想像した。
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