告白よりも、ときめきを

入社してからの様子、もう少し話すと、私達は八人で、事あるごとに行動を共にしていた。
それが楽しかった。
充実していたから、それ以上望むモノも無かったから、ずっとそんな調子だった。

そのうち、あっという間だった。
麻紀が会社の先輩と結婚。入社した時から狙ってたって、後で知った。
程なくして、美咲も大学からのつき合いだという人と結婚。そんな人が居た事、会社では秘密にしていたようだ。理由は声が掛からなくなるかららしい。

いくつが適齢期かは、人それぞれだろうし、結婚に適してるかも、人それぞれだと思う。
が、彼女達は、結婚する事は当たり前のごとく、みんなで楽しくしている時も、粛々と結婚に向けて計画を立てていたのだ。

仕事は?折角就職したのに、何もしない内に辞めちゃうの?なんて、私は思ったりもした。
私はといえば、日々仕事にも慣れ、事務職ではあるけれど、充実していたし、山崎君や竹内君と仕事終わりに御飯に行ったりして、結婚なんて何も考えていなかった。

一つ下の後輩から見れば 、男前の二大巨頭と当たり前のように行動を共にしている私。
随分妬けると言われた覚えがある。
同じ課にいれば接触する事も多いし、自然と話すタイミングも増える。
でも後輩達のようなドキドキとかは無かった、…同期だし、最初からずっと一緒だから。
私はそんな程度に思っていたんだ。

そう言えば、居酒屋でこんな話をした事もあったな。
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