告白よりも、ときめきを
・永遠のテーマ
「っらっしゃいませ~」
「え~と、山崎で取ってある部屋は…」
「こちらです、どうぞ~」
「有難う、あ、先、ビール頼めるかな」
「わっかりました、畏まりました」
「入るぞ?」
声を掛けて、言われた方の障子を引いた。
「うっす、お疲れ」
「お疲れ様」
上がって山崎の隣に座った。
「ああ、お疲れ。お前な~、割と待ったんだぞ。まあ、ボードの直帰に気がつかなかった俺が悪いんだが。お前が外から直帰なんて、珍しいよな。
ああ、これ、確かに渡したぞ」
忘れないように封筒を渡した。
「お、サンキュー、悪かったな。連絡入れてくれたら良かったのに」
「普通、そこそこの時間に帰って来るって思うだろ?
何食ってる?俺、鯵フライ食べたいんだけど」
ネクタイを少し緩め、おしぼりで手を拭き、すぐ近くにあった玉子焼きをパクっと食べた。
「…これ旨いな」
「あ、ちょっとー、山崎君といい竹内君といい」
「竹内、この玉子焼き、宇佐美の、だから。知ってるか?宇佐美だけ、サービスなんだってさ。
さっきの、お前を案内して来た子、あのお兄ちゃん、どうやら宇佐美に惚れてるらしい」
「ちょっとー…惚れてるなんて、言われてないから。サービスだって貰っただけだから」
「まあまあ。それが、そういう事なんだよ。なあ竹内、お前もそう思うだろ?」
「ああ、間違いないな」
「ほら、な?」
「ちょっとー…」
「好きな食べ物覚えてるんだから、気があるのは確かだよ」
「そういう事だ」
…違うと思うけど。