告白よりも、ときめきを

「しっかし、いきなり難題をぶち込んで来るよな。
疲れた脳が更に疲労する。あ、考えたのは竹内か、ハハハ。
お、鯵フライ注文しようぜ。
俺、王道の唐揚げ頼むの忘れてたから、一緒に、と、宇佐美は、他に何かいるか?」

「色々突いてるから…。あ、コロッケ三種、食べたいかも」

「了解。すいませ~ん」

「三種って何と何と何?」

「あれ?竹内君知らない?牛肉コロッケ、蟹クリーム、えっ…野菜?コーンだよ」

「へえ」

「食べる?あげないよ?」

「…」

「山崎君、ごめん。コロッケ二人前にして貰っていい?」

「お、じゃあ、これ二人前で」

「畏まりました」

注文を繰り返し、店員は軽快な足取りで戻った。


「蟹クリームコロッケでしょ?」

「ん?」

「好きなコロッケ。それだけ単品であったらいいのにね。今度ごり押ししてみたら?案外クリームコロッケだけにしてくれるかもよ?三個共。
私の蟹クリームあげるから、変わりにコーンとトレードして?」

「ああ、いいよ。クリームコロッケはいいのか?食わなくて」

「うん、ジャガ芋ホクホクしてるのが好きだから。クリームはグラタンとかシチューとかで食べるし」

「じゃあトレード成立でいいな」

「うん」

「何、何?俺も混ぜて。じゃあ王道の牛肉コロッケは俺にくれ」

「山崎君は牛肉コロッケ好きなの?じゃあ、何と交換?」

「ん~、唐揚げ?」

「それはみんなで突くから駄目ー。そもそもモノが違う」

「じゃあ、半分…三分の一…一口くれ…駄目?」

「んもう、別にいいよ、そんなに言わなくても。あげるから」

「おっしゃ~」

「一口ね」

「えーっ、そんな殺生な~」

「嘘嘘、半分ね、アハハ、もう…大袈裟…」

「ハハハ、やったー」
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