告白よりも、ときめきを

「…明璃さん」

「あ、はい、何?」

ん?改まって何?

「急にですけど、今夜時間ありますか?資料作って貰ったお礼に、晩飯奢らさせてください」

「え?そんなのいいよいいよ。気持ちだけで充分よ?そりゃあ私は時間はいつもあるけど(トホホ)。昨日の今日なんだから、時間があるなら帰って休んだ方がいいと思う。ほら、振り返してもいけないし。
それに、昨日の事は仕事上の事なんだからお互い様でしょ?私も助けてもらう事があるかも知れないし。奢ってもらう程では無いわよ」

「じゃあ、普通の晩御飯という事にして、つき合ってください」

……でもね。問題もありそうじゃない、二人でってなると。ね。

「どうせ御飯食べるんだし、食べて帰ると楽じゃないですか、どうです?」

…あー、…。そう言われてしまうと。

「ん~…じゃあ、アルコールは無しで。片桐君が御飯食べたら帰ってすぐ休むっていうなら、…行ってもいいです」

「はい、守ります。じゃあ、今日は俺…、定時ちょい…もう少しかかるか…くらいで終われる予定なので、なるべくまきで終わらせます。何処かで待っててもらえますか?出る時、連絡入れますから」

あまり会社に近くない方がいいわね。

「解った。大丈夫よ。じゃあ私は……駅前のカフェで時間潰してるから。そこでいい?解るよね、場所」

頑張って早く退社するつもりだろうけど一緒に出る訳にはいかないでしょうからね。

「了解です、大丈夫です。じゃあ先に戻ります。では、また後で」

「はい、解りました」

んー…何だか妙な事になってない?ただの御飯だって、まずいんじゃないの?
…彼女にちゃんと言ってあるんでしょうね…。こういうの、後でゴタゴタに巻き込まれるのは勘弁して欲しいんだからね…。
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