告白よりも、ときめきを

「よし、着いたぞ。ここだ」

「うわ、ねえ、もしかして食べ放題?」

「ああ、もしかしなくても、そうだ。食事もだけど、デザート、好きだろ?スイーツ」

「うん!!好き!」

…好き、か…。スイーツが、な。

「どっちかと言えば、スイーツに力入ってるとこだから、旨いと思うよ」

「キャー、一輝、有難う」

「ぅお、おっ、と、…バカ、離れろ」

抱き着かれた。

………。
これが明璃の無意識、無自覚。…はぁ。

「…さあ、取り敢えず、色々取って来て腹ごしらえからだ」

「うん!」

無邪気な子供だよな…はぁ。


「頂きます」

お寿司、焼肉、天ぷら、パスタ、サラダ多め、とにかくがっつり食べる気満々らしい。明璃の前は少量ずつ盛った皿で一杯になった。
世に言う炭水化物抜きとか、そんな事、明璃は気にしてない。
食べたい物は食べたい。だから、食べる。らしい。
俺も大賛成だ。女子だからって食べない子はあまり好きじゃない。

「明璃、落ち着いたか?」

「ぇ?大分食べたよ?見て?」

「…そうか、そうだな。なぁ…聞いていいか?あのな…、そうだなぁ、まず、片桐とは何かあったんだろ?」

「うん」

…うん、てな。まあそうだと思ってこっちは聞いてはいるんだけど。

「…どんな事が…」

「ん、キスされた」

「ブーーッ」

「一輝…」

そんなあっさり。キス、だぞ?

「…悪い。いきなり、そんな…いきなりな話するからだ」

「だって聞いたから」

「確かに聞いたけど、もっと前置きってものがあるだろうが」

「ごめん、結論は直ぐ知りたいかなと思って」

何故、こうもあっさりと話せるんだ…表情に出てないだけか?…。キスされたって話だぞ?…。
されると、思ってた訳じゃないだろ?もっと言い淀んだりしないのか。
< 47 / 69 >

この作品をシェア

pagetop