告白よりも、ときめきを
「よし、着いたぞ。ここだ」
「うわ、ねえ、もしかして食べ放題?」
「ああ、もしかしなくても、そうだ。食事もだけど、デザート、好きだろ?スイーツ」
「うん!!好き!」
…好き、か…。スイーツが、な。
「どっちかと言えば、スイーツに力入ってるとこだから、旨いと思うよ」
「キャー、一輝、有難う」
「ぅお、おっ、と、…バカ、離れろ」
抱き着かれた。
………。
これが明璃の無意識、無自覚。…はぁ。
「…さあ、取り敢えず、色々取って来て腹ごしらえからだ」
「うん!」
無邪気な子供だよな…はぁ。
「頂きます」
お寿司、焼肉、天ぷら、パスタ、サラダ多め、とにかくがっつり食べる気満々らしい。明璃の前は少量ずつ盛った皿で一杯になった。
世に言う炭水化物抜きとか、そんな事、明璃は気にしてない。
食べたい物は食べたい。だから、食べる。らしい。
俺も大賛成だ。女子だからって食べない子はあまり好きじゃない。
「明璃、落ち着いたか?」
「ぇ?大分食べたよ?見て?」
「…そうか、そうだな。なぁ…聞いていいか?あのな…、そうだなぁ、まず、片桐とは何かあったんだろ?」
「うん」
…うん、てな。まあそうだと思ってこっちは聞いてはいるんだけど。
「…どんな事が…」
「ん、キスされた」
「ブーーッ」
「一輝…」
そんなあっさり。キス、だぞ?
「…悪い。いきなり、そんな…いきなりな話するからだ」
「だって聞いたから」
「確かに聞いたけど、もっと前置きってものがあるだろうが」
「ごめん、結論は直ぐ知りたいかなと思って」
何故、こうもあっさりと話せるんだ…表情に出てないだけか?…。キスされたって話だぞ?…。
されると、思ってた訳じゃないだろ?もっと言い淀んだりしないのか。