告白よりも、ときめきを
・敗北か?
片桐と竹内がほぼ同時に告白したことを知って…。
俺は内心、笑えて来た。
…何がアピールだ。
手を繋いで退室したくらい、何でも無かったな。全く…笑えるな。学校帰りの子供かってな。
現に明璃は、明璃のいつも言う、ドキドキだけあればいい、も、俺には…全く感じて無かったようだし。
明璃の話し方になのか、よく解らないけど、本気にならないという態度になのか、…俺は、サーッと冷めていくモノを感じた。
何なんだ。冷静な俺…。好きは冷静になったら駄目だろ…。
……バカにされてるのか?
こっちが真剣になればなる程、虚しいじゃないか…。
あ~あ、アホくさ。
元々恋愛はしない、恋に向き合おうとしない人間に…、一生懸命だった自分が情けなくなった。
これで、感情無しの、本当のただの同期だ。
すっきりした。
長年の俺の思いも終わったな…。
はあ、随分と持ちこたえたもんだな…。何にもならないものに…。
くそっ…泣きそうだ…。
フ。これは、諦めた振りをして…強がりだ。
妬いてるだけなんだ。出遅れた事に。
竹内にも片桐にも敵わなかった。やられたと感じてるから。
んん…。
頼む、明璃、ドキドキだけじゃない、もっと先を求めてくれないか…。