告白よりも、ときめきを

彼女は氷山あかりと名乗って、お友達から駄目でしょうか、と言う。
友達からと言われ、特に断る理由も無いから、いいですよ、と応えると、キャー、有難うございます、と言ってサササッとアドレスを書き込み、メモ帳から切り離し、渡して来ました。

「時間がもうギリギリで、ごめんなさい。良かったらご連絡待ってます」

「僕は奥田と言います」

「はい、奥田さん。それでは、ごめんなさいでした、コーヒー。それと有難うございます」

そう言って慌てて片付け帰って行きました。
どうやら、眼鏡無しの僕の顔が好みだったようでした。自慢じゃないですよ?…好みの問題ですから。
あ、それと、誤解の無いように言っておきますが、“あかり”という名に何かある訳では無いですからね?これは偶然なのです。
あかりは明璃と違って、態度にも表情にもよく現れるので、とても解りやすい子です。…。

僕はあれからあかりのアドレスに連絡をして、そして人となりを知り、つき合う事にしたのです。

つまんない話でしたよね?でも、ちょっと自分を主張してみたかったのです。
色んな人が居るんですよ?世の中には。
ハッキリ解るイケメンばかり追いかけていては駄目ですよ。…なんてね。
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