お前のこと、落としてやるよ。


ボールを持っているのは、もちろん皐月。



みんなが静かに最後のワンプレーを見守る中、心地よいリズムでドリブルをついている。



「ディフェンス!最後一本止めるぞ!」



相手ももちろん気迫十分。
負ける気はもうとうないようだ。



キュキュというバッシュと体育館の床が擦れるあの特有の音がやけに大きく響く。



ドリブルで一人、また一人抜いていく皐月にみんな目が奪われていた。



みんなに指示を出していたから、キャプテンだと思われる先輩と、とうとう一対一となった。

< 110 / 307 >

この作品をシェア

pagetop