お前のこと、落としてやるよ。
そんなもどかしさを隠すために、目に入った近くの自販機を指さした。
んー、私も何か買おうかな。
カバンから長財布を取りだし、小銭の130円を入れると下の一列のランプが一斉につく。
私がカフェオレのボタンを指で押したその時、自販機にガンッと音をたてて片手が置かれた。
つまりは、私の顔の横に皐月の長い腕があるってことで。
__ガコン
と、大きな音を響かせて落ちてきたであろうカフェオレ。
その音とほぼ同時に、掠れた甘い声で私の耳元でこう囁いたんだ。
「……お礼は、夏祭り。夏祭り永遠と行きたい」
と。