お前のこと、落としてやるよ。
「アイツじゃなくて、俺にしろよ。」


『俺、永遠のことが好き』



あの日の皐月の言葉が頭の中でぐるぐると回っている。



あの後は、花火が終わったというアナウンスが流れた後、『帰るか』と皐月が掠れた声で一言そう言っただけで、それから手も繋がずお互い何も言わないまま家に帰った。


まだあの日から、一度も顔を合わせていない。



あの日の皐月の言葉は、本当なのかな?
皐月が、私を好き―――?



夏祭りの日の皐月の真剣な表情を思いだしカァと顔が熱くなる。



「あー!もう!」


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