お前のこと、落としてやるよ。
ポツリと溢れた言葉は、音がしないからか妙に響いて消えていった。
「永遠ー!永遠ー!ちょっと降りてきてー」
一階から元気の良いお母さんの声が聞こえる。
返事をするのも億劫で、なにも言わずに一階へ降りた。
「なに、どうしたの」
「あー、うん。お願いがあるんだけどね。シフォンケーキをね皐月くんの家に持っていって欲しいの」
お母さん……、タイミングの悪いこと。
「……無理。お母さんが行ってきなよ」